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はじめに
〜「あれから」と「これから」をつなぐために〜 |
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卒業するとき、みんなに「さようなら」の挨拶さえしなかったように思います。 |
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まさか、こんなに長い間顔も会わせないなんて、思いもしなかったからです。 |
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それに、僕には、まだまだたくさんの出会いが待ち受けていたし、 |
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社会の中で必死に日常を生き抜くのに精一杯だったので、 |
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旧友達のことを思い出している余裕さえありませんでした。 |
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ふと彼や彼女達の顔が頭に浮かぶことはあったにせよ、 |
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「今さらなぁ」と連絡を取るのも気恥ずかしく、 |
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結局、「いずれまた」と淡い思いを残したまま、時間だけが過ぎ去りました。 |
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そして、20年もの年月が流れました。 |
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人生には、多くの「さようなら」が存在することに |
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やっと気づいた今になって、こう思います。 |
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「かつて17歳だった彼や彼女達は、どうしてるのだろう?」 |
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陸上競技を熱く語っていた君。 |
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チームをまとめるのに必死だった君。 |
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一緒に授業をさぼっていた君。 |
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つまらない冗談ばかり言っていた君。 |
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負けず嫌いだった君。 |
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会えばケンカばかりしていた君。 |
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後輩の女の子が好きだった君。 |
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悔し涙を流していた君。 |
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そっと、励ましの言葉をかけてくれた君。 |
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ひとり黙々と走っていた君―――。 |
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みんな、元気にしてるのだろうか? |
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あれから一度も顔を会わせなかったけれど、 |
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これからも二度と会えないと決まったわけじゃない。 |
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もう一度、お互いの人生が交差する瞬間があれば、 |
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新しい「これから」を創りだせるかもしれません。 |
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「あれから」と「これから」を結びつける |
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みなさんからのお手紙をお待ちしております。 |
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(2010.08.01) |
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